2022年になったと思ったら、もう1月も半分を過ぎてしまいました。
皆さんは年初の目標をたてましたか?年初の目標は、他のタイミングでたてた目標よりも達成できる確率が高いそうです。それだけ年はじめって何かを始めたり決意するのに絶好のタイミングなんですね。
とはいえ、自分のたてた目標を達成することって難しく結構挫折してしまいます。
その原因は何だろう?
これについてよく考えます。頭ではやったほうがいいと思っているのそれが出来ないってよく考えたら不思議ですよね。
色々な本を読んで、そして自ら振り返って考えた結果、3つほど原因があることに気づきました。
- 身の回りに「自分の時間」を奪う(誘惑)するもので溢れている
- 1により現状維持バイアスが働き、やるべきことをやらない
- 人間はそもそも不合理な生き物である
とくに1の自分の時間を奪うもので溢れている問題は、それに自覚的にならないとこの原因は解消されないことです。
まさにこのことに気づかされた、そして解決方法を示してくれた本がアダム・オルター氏が書いた「「依存症ビジネス」つくられかた 僕らはそれに抵抗できない」です。
この本、物凄くおすすめです。面白いです。
分かりやすいだけでなく、テンポもよく事例も面白いので読みやすいです。
今回はこの本に書かれていることをもとに私自身が目標達成のために取り組んでいることを分かりやすくまとめます。
あなたは依存症(スマホ、SNS、ネット動画)

本の冒頭部分では、自分自身のスクリーンタイム(一日にスマホの画面を表示している時間)がどれくらいか尋ねられます。
この本によると、スマホの画面をみることに意識的な人達をもとに調べた結果驚くべきことが分かりました。
スマホを見ている時間→平均で3時間
意識的な人達でこの結果のため、特に意識せずにスマホを見ている人では時間はもっと長くなると予想されています。
ちなみに私は、全く意識しないと平気で4時間を超えてしまい、休日なんて6時間をこえることすらあります。これの恐ろしいポイントは、私は4時間も画面を見ているなんて思っていなくむしろ2時間くらいだろうと思っていたことです。
ついYoutubeをみてしまう、気づいたらSNSを開いてしまう、隙間時間にスマホ(気づくと隙間時間でなくなっている)こうした積み重ねが私から4時間という時間を奪っていたのです。
依存症というと、たばこや麻薬などを連想されますが、この本ではより広くその範囲を扱い、物質ではなく行動についての依存症についてフォーカスしています。
この行動についての依存症は行動嗜癖(こうどうしへき)と呼ばれ、この本ではスマホのほかにもゲーム、筋トレ、目標を立てることについてさえも事例としてあげられています。
こうした行動嗜癖は本人の意識のせいなのでしょうか?
多くの場合、あらかじめ依存性を促すように設計されていたり、環境が整うことで行動嗜癖が生じます。つまり、あなたのせいではなく、なるべくして依存症になっているということです。
依存症の問題点 なぜ依存症になるのか?
注意していただきたいのはスマホやゲームは決して悪いものではありません。それが問題になるのは過度な場合です。タバコや酒、ドラッグとは異なり、行動嗜癖は身体に致命的な悪影響を与えることは少ないです(姿勢や目が悪くなることはあるでしょうが)。
この本では行動嗜癖の問題点を分かりやすくこう書かれています。
”依存症の恐ろしい点は、仕事、遊び、基本的な衛生観念、人との交流など、生活するうえで欠かせない要素を後回しにさせることだ。”
引用:「依存症ビジネス」つくられかた 僕らはそれに抵抗できない
私の例に例えると、スマホをついみてしまうという行動嗜癖が1日4時間の時間を奪い、本来やりたいこと、やるべきことができなくなっています。
行動嗜癖の厄介な問題はもう一つあります。人間は度々不合理な選択をしてしまうため、たとえ長期的にみて損をすることであっても、短期的な欲求を満足させられる場合は、短期的な利益を優先してしまうのです。
このことは、この本以外にも行動経済学の名著であるダン・アリエリーによる「予想どおり不合理」でも述べられています。
前述したように行動嗜癖は偶然なることはありません。
”何らかの物質や行動自体が人を依存させるのではなく、自分の心理的な苦痛をやわらげる手段としてそれを利用することを学んでしまったときに、人はそれに依存するのだ”
引用:「依存症ビジネス」つくられかた 僕らはそれに抵抗できない
この言葉をきいてみてどうですか?思い当たるふしはありませんか?
私は確かにそうかもって!すぐ思いました。恋愛でもそうですよね。フラれた直後に、他の異性に優しくされたらいつの間にか好きになっちゃうなんて、このケースの代表かもしれません。
以前紹介した「小さな習慣」という本でも、人はストレスをうけると良くも悪くも習慣的な行動をとってしまう、と書かれていました。
そう考えると、ストレスを受けたときに選択した行動が非常に重要になることが分かります。
人を依存症にさせる6つの要素 目標達成のためのヒント
この本では、依存症を引き起こす6つの要素を紹介しています。実はここに目標達成のためのヒントが隠されています。
依存症を促すスマホアプリ、SNSはこの6つの要素を含んでいることが多いそうです。
スマホゲームが分かりやすいですが、優しいミッションをはじめ、ランダムにSランクアイテムがでるガチャ機能、ランダムなイベント、レベルアップに伴うやりこみ要素、他の人とつながれるチャット機能や他の人と比較するランキングなどはすべてこの要素が当てはまります。
Instagramをはじめとする「いいね」機能も(2)や(6)の要素に該当します。「いいね」は必ずしもたくさんの「いいね」がもらえるわけではなく、その不確実性が(2)の要素となります。
このように多くの人がハマる行動嗜癖には、あらかじめこの要素を含めるように設計されているのです。
けれども、この6つの要素は何も悪いことではありません。
何かを達成するためには、「習慣化」することが1番の方法であり、難しい点でもあります。依存症はまさに悪い習慣です。やりたいこと、なりたい自分への目標達成には良い習慣が必要です。
目標達成には依存症の原理にヒントが隠されています。
なぜなら、依存症は偶然なものではなく、意図的に設計されているのだからこそ依存症の原理を応用すれば目標達成に一歩近づくわけです。
依存症を抜け出すためのテクニック3選
①依存症6つの要素を逆手にとる
こうしてみると、「小さな習慣」の技術が役立つことが分かります。
②行動アーキテクチャで環境を整える

行動アーキテクチャでは、特定の行動を促す、またや止める環境を整えることをいいます。
例えばスマホの時間を制限したいのであれば、スマホを長時間見ないようにすればいいだけですが、スマホを一度手に取ると、欲求に抗うことが難しくなります。
そこで必要な時以外スマホを手にとりにくい場所に置いたり、一時的に電源を落として使えなくしまいます。つまりスマホを手に取らない環境をつくることです。
私は会社から帰る際に、コンビニへ寄ってついついお菓子を買ってしまう癖がありました。今日もこれだけ仕事をしたんだ。と自分へのご褒美をこめて。
でも毎日繰り返すと少しづつ太っていきますよね。
それを止めるために、コンビニの前を通らない帰宅ルートで帰ることにしました。これもスマホと同じで一度コンビニを目にするとお菓子が欲しくなる欲求を、コンビニの前を通らないことで欲求を抑える行動アーキテクチャの手法ですね。
③早期予防

これは病気と同じ考えですが、一度依存症になってから治すより予防したほうが簡単ということです。
予防の方法としては、行動アーキテクチャを利用する方法と、動機付けをするアプローチが効果的です。
動機付けアプローチでは、なぜのその行動をとりたいのか掘り下げていきます。
依存症になりやすいSNSでも、それを利用する目的は人によって様々です。
なぜSNSを利用するのか?
どのようなメリットとデメリットがあるのか?
メリットは他のことで代用可能なのか?
など自分を分析していきます。ここでは自分の感情を無理に否定しないことが大切です。そして自分の意志で決定することがここでのポイントです。
依存症となる行動には必ず本人にとってメリットがあります。デメリットではなくメリットに目を向けることによって、他の行動でそのメリットを得ながらよい習慣をつくれないか探っていきます。
まとめ
目標を達成したいと思っても、その行動を妨げるのが悪い習慣である「依存症(行動嗜癖)」です。
行動嗜癖によって、時間や健康が奪われ本来やるべき行動ができなくなります。
行動の依存症は自分自身が依存症と認識しにくい側面をもっています。まずは、自分の行動嗜癖はどのようなものがあるか一度考え、思い当たる節がある場合は3つのテクニックを利用して、2022年目標達成にむけて一歩一歩進んでいけたらと思います。
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