建築士の視点から角度を少し変えて選ぶ施工会社編です。
設計事務所編は過去の記事を参照してください。
ハウスメーカーの場合は、施工だけ請け負うことはしないため、どこに家づくりをお願いしたいか?という最初の段階で設計とセットで考えてください。
現場監督の役割とは?
設計するのが設計士。監理するのも設計士。工事の総指揮をするのが現場監督。工事をする上でものすごく重要なのが、現場監督です。現場監督の役割は大きく3つに分けられます。
①工程管理:材料の発注、職人さんの手配などの各種調整。
②コスト管理:無駄をなくして原価を抑える。
③品質管理:設計図やメーカー仕様通りに施工しているか、正しい施工方法をしているかの確認・指導。
①と②はどこの施工会社も意識しています。①②は利益に直結するため、やらざる負えないのです。しかし、昨今では、現場監督、職人不足のためそれすら管理が難しく、工程が長引いたり、コストが高くなったりします。
問題なのが③の品質管理。品質ってクロスや塗装など目にみえる部分よりも、隠れている部分の品質管理が難しいんです。品質管理をするうえで、現場監督は設計図だけでなく、メーカーの仕様書、国交省等がだしている標準仕様書を理解している必要があります。職人さんの中には、自分の経験だけで施工している場合もあります。きちんと、施工指導するのも現場監督の重要な仕事です。建売住宅やハウスメーカーの注文住宅は、品質を一定に保つように工夫がされていることが多いです。
そんなわけで、確認ポイントは次の4つ
信頼できる施工会社の確認ポイント
1、現場監督、現場行ってます?
規模が大きい建物だと、工事現場に仮設事務所を構え、現場監督が常駐するのが一般的です。でも住宅の場合はそんなことほぼありません。だからこそ、要所要所で現場監督がきちんと品質管理しているかが重要です。1日1回は、現場に最低でも行くべきだと思います。
2、現場の職人さんヘルメットつけてます?
現場の安全管理のレベルがわかります。何が起こるかわからないのが、工事現場。だからこそ、少しの油断で事故が起こります。ヘルメットつけているからといって、事故が全て防止出来るわけありませんが、現場の姿勢がわかります。以外と住宅の工事現場でこれができていない場合もあるので要確認です。
3、コンクリートの品質管理していますか?
どんな建物でも、建物を支える基礎にはコンクリートが使われています。基礎が弱いとどんなに上部構造が丈夫でも意味がないですからね。コンクリートの品質管理は、コンクリートの配合計画の確認と打設後の強度確認、型枠を外してからの見た目の確認があります。このうちの強度確認は、住宅の場合やらないことが多いみたいです。私の場合、絶対やってもらいます。強度が基準に達していないことは、私の経験で一度もありませんが、それでもやった方がいいです。言われなくも、普通に強度確認をしていれば安心です。
4、難しい断熱工事
断熱材しっかり、たくさん入っています。だから冬でも暖かいんです。なんて、よくききます。でも断熱工事って断熱材入れればいいってもんじゃないんです。施工による品質のバラツキが出やすいのが断熱工事で、しかも性能にも直結するんです。大工さんが工事することが多いですが、断熱専門業者が工事する場合もあります。大工さんの断熱工事の質は、人によりかなり違います。だから専門業者に多少金額が高くても工事してもらった方が確実です。家を建てる時、断熱工事誰がやりますか?って聞いてみてください。大工さんの場合は、注意が必要です。
最後に
設計の時と同様、普通と違う切り口で選んでみました。施工会社を選ぶ上で、品質管理がしっかりとできている会社か、判断してみてください。
今回は4つに絞ってみましたが、ほかにも確認するポイントは色々あります。設計の立場からすると、現場監督ってかなり建物の質に影響がでるので、とても重要です。
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