マイホームを建てるにあたって知りたい木造の知識【在来軸組み工法とツーバイフォー工法】

マイホーム

マイホームを検討する際は〇〇工法~耐震性が高い!!〇倍の強度!!なんて文言をよくみるかと思います。間違ってはいないと思います。ただし自社の工法をよく見せるため比較する対象がそもそもおかしいなぁと思うこともよくあります。

ただこれは建築の構造を学んでいない建て主には判断ができず、きれいなCGやグラフで惑わされてしまいます。誤解してほしくないのは、ハウスメーカーや工務店の独自工法を否定しているわけではないというこです。

この記事で言いたいことはただ一つです。

「原理原則に基づき正しく設計していればどの工法でもいい!!」

では原理原則とは何でしょうか?
この記事では構造についての基本的な知識を説明し、これからのマイホームづくりのヒントにしていただけたらと思います。

そもそも構造ってなに?

建物は色々な材料でつくられています。鉄筋コンクリート、鉄骨、木なかにはアルミニウムでつられ建物もあります。

コンクリート、鉄、木にはそれぞれ材料ごとの特性があります。

例えばコンクリートはつぶすような圧縮する力には非常に強い耐力があります。しかし引っ張る力には弱いため、引っ張る力に強い鉄筋をコンクリートの中にいれてお互いの長所を活かしています。

材料自体の強度はそれぞれ差がありますが、これは構造計算をすることによってどの材料でも耐震性を確保することが出来るため比較することはできません

もしメーカーが木造よりも耐震性が高い!!と宣伝していたら一度疑ってみてください。
事実今の技術では木造高層建築も実現可能です。

住宅でよく木が使われている理由は、強度もあり、流通性がよいこと、とくに加工性が優れているからです。そんな木にも、製材、集成材、CLT、LVLなど様々な種類と樹種があるためよく分らなくなってしまします。

何の構造にするか、どの材料を使うかはその建物に求められる性質とコストによって変わってきます。

どの構造にするにしても、力に対しての考え方は共通しています。

それは、鉛直(たて)の力、水平(よこ)の力に対して建物が壊れないように設計することです。

鉛直の力は、人や家具の重さ、雪の重さがあります。

水平の力は、横に揺れる地震や台風などです。

そして力には、力の継続時間に応じて短期なのか長期なのかに分けて考えます。雪は積もってもすぐ融けてしまうため短期に含まれますが、多雪地域など1m以上積もる場合は雪が長い間のこっているため長期の力となります。

〇〇工法の正体!

力の方向が鉛直と水平の2種類があることが分かったところで、その力に対してどのように耐えるか解説していきます。

まず柱と梁の接合部は剛接合ピン接合に分かれます。

鉄筋コンクリート構造は柱と梁を一体に施工することができるから非常に強い接合部ができます。一方で木造は柱や梁を完全に一体にすることはできないから、どうしても接合部が弱くなってしまいます。この接合部は一体ととなっていないためピン接合と呼ばれたり、完全に分離してるわけではないので半剛接合と呼ばれます。

なぜこんなの訳の分からない話をしたかというと、接合部をどうするかって問題が木造の場合は大きく、それによって各種メーカーが色々な工法を編み出しているからです。

剛接合であるラーメン構造は柱と梁といった骨組みだけで構成されているため、構造的な壁が少なく自由度の高い間取りを計画できます。その代表的なのがオフィス空間です。

ラーメンってなに??美味しいの??

ドイツ語で「骨組み」って意味なんだ!!

ではピン接合はだめなんでしょうか?

骨組みをピン接合のままで地震がきたら簡単に変形してしまうので絶対だめです。そのために必要なのが耐力壁です。地震のような水平方向の力を耐力壁で耐えるわけです。

筋交いの場合も耐力壁と同じ役割です。ただし筋交いの場合は向きによって構造計算が違ってきますがそこは設計者に任せてください。

在来軸組み工法とツーバイフォー工法

木造の場合は同じ耐力壁を使うにしても、在来軸組み工法ツーバイフォー工法(2×4工法)の2種類があります。昔は在来軸組工法のほとんどが筋交いで耐震性を確保していたため、明確な違いはあったのですが、今は構造用合板を使うケースがほとんどなので構造上の差はなくなってきました。

その差は施工方法の違いのため、ハウスメーカーや工務店がどちらが得意か?安くできるかといった違いだけだと思います。

簡単にまとめると、工法の違いの本質はフレームでもたせるのか、壁でもたせるのかっという違いです。そこにメーカーごとに自社の接合金物を開発し名前をつけているだけで、構造計算上問題なければ何を採用しても問題ありません。

木造住宅の闇

構造計算上問題なければ何を採用しても問題ありません。

私はさきほどこう書きました。

いまの住宅業界の最大の闇は構造計算をしているところが少ないということです。

もちろん最低限の基準はクリアしています。しかし、その最低基準をクリアするだけであれば構造計算は必要ない、正確にいえば審査が省略(4号特例という)されているのです。
この最低限の基準には雪の重さは考慮されていません。多雪区域をこの最低限の基準で設計してしまうと倒壊のリスクが生じます。

この審査の省略の本来の意図は、設計者がきちんと確認してるだろうから検査機関は省略するよっていう意味なのですが、省略を都合よく解釈し構造計算をしないメーカー、工務店も多いのが現状です。
これを属に「4号特例の闇」と呼ばれています。

住宅業界は平気な顔をして適当なことをする人が多いので、これから家を建てる人は多少コストアップしたとしても構造計算をしてもらい、耐震性のランクが高い「耐震等級3」を確保してもらいましょう。

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