設計・施工会社の選び方〈設計事務所編〉

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家づくりを考えるにあたって、どの設計事務所、ハウスメーカー、工務店に選ぶかは悩ましいものです。それぞれ、デザイン、性能、価格、知名度による安心感などの基準がありますが、今回は設計士の立場として、確認すべき項目を選びましたので参考にしていただけたらと思います。デザインや価格は人によって全く条件・要望が異なるため、とくに触れません。重要なのは、いかにデザインが優れていても、性能の良さを謳っても、きちんとした設計・施工がしていないと、将来的に不具合を起こす可能性が高くなります。つまり品質管理を設計・工事の両方の立場できちんと実施しているか確認をする必要があります。しかしながら、建築を専門にしていない人にとって品質管理がきちんとされているかを判断するのことは非常に難しいです。今回は設計事務所についての確認ポイントをまとめました。
(ハウスメーカー、設計をする工務店も共通です)

そもそも設計士の仕事って??

設計士の仕事は、大きく分けて①設計段階、②工事段階、の2つの段階でする仕事があります。
①がいわゆる、要望をヒアリングして図面化する設計のこと。イメージがしやすいのがこの①の段階です。
②は、設計士が工事中に設計図と現場が合っているか確認する工事監理という段階です。そのため、設計と監理をきちんとしているかの確認が重要となります。

設計段階で確認すべきこと

設計中に基礎の検討をしていた時の実際のノート

設計は間取りを考え、図面化することでが、間取りを考えるだけであれば誰でもできます。(いい間取りかは別として)設計士は考えた間取りを、法規、設備、構造、周辺環境、場合によっては地域の歴史などを総合的に検討し、図面にしていきます。
設計士によってどこに比重を置くかは異なるため、設計段階で確認すべきは次のこと

・基礎の設計きちんとしているか?
・構造のグレードは?(雪が多い地域の場合)


構造について、設計士がどこまで考えているかが客観的に判断をするうえで重要となります。
住宅のような、小規模建築は、構造計算が確認申請※時に免除されているため、構造についてきちんと考えていない場合が多いです(特に基礎)。
免除されている理由は、小規模の建物の構造計算の確認を審査期間が全てすると、雑な言い方をすれば大変だからです。その代わりに、設計士がきちんと責任をもって確認してね!ということなのです。この免除を構造の確認をしなくてもいいと、勘違いしている人が多いような気がします。
構造のグレードについては、特に雪の多い地域で注意してもらいたい項目です。構造のグレードは耐震等級と呼ばれ、1級から3級まであります。3級が一番耐震性が高い建物となります。耐震等級1級はあまり積雪について考えていないため、雪の多い地域では最低2級の確保が必要と考えます。

工事段階で確認すべきこと

いかにいい設計をしても、工事がしっかりとしていないと、いい建物はできません。そのため設計・工事の両方の視点でダブルチェックをすることが重要です。
ここでの確認ポイントは、・現場監理を何回実施するか?設計士が監理をすることは、法律で決まっています。これは、施工会社の現場監督とは全く異なる立場のため、兼任はできません。工事に入ると、現場監督任せでろくに監理しないという話をよくききます。監理の仕方は、説明すると長くなるため、まず設計士が最低何回実施するか確認してみてください。
私の考える最低回数は9回です。
 例) 1、建物の位置・基準となる高さの確認(地縄検査)
    2、基礎の鉄筋の本数や位置の確認(配筋検査)
    3~4、木造の接合金物等の確認
    5、屋根・外壁の確認
    6~7、断熱検査
    8、内装検査
    9、最終検査(完了検査・監理者検査・施主検査)
ただしこれは、優秀な施工会社の場合はもっと少なくなりますが、なかなかいないのが実情だと思います。例えば、住宅設計で有名な伊礼智さんは、工事段階に現場にいく回数が少ないと講演会で話されていたことがありますが、それは設計図が200枚を超え、施工会社が優秀だからできるのです。
施工会社の現場監督任せにするような設計士にはお願いしないほうがいいと思います。

まとめ

以上で設計事務所編は以上です。
通常こういったことを確認することはないと思います。実際当たり前のことしか書いていません。
ただし、中には当たり前のことをしていない場合もあるため、確認することをおすすめします。


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