木を知る03 「杉」

建築

過去2回の「木を知る」の記事で扱ってきた杉。
主な特徴は、
①柔らかく加工しやすい
②耐久性、耐水性がある
③針葉樹ならではので木目がはっきりしている
以上よのような理由から、構造材だけでなく造作材にも多用される万能な樹木です。

さらに、杉には多くの特徴があります。
杉の木は、針葉樹の中でも特に保温性(断熱性)と調湿性が高く、直接触れると温かみを感じます。広葉樹では箪笥によく使われるキリの木が保温性が高いです。
調湿性が高いということは、その分、水分を多くむ含んだり、放出するため伸縮や反りの原因となるため、扱いには注意が必要です。

あまり知られていない特徴としては、空気清浄機能と有益物質供給機能があげられます。私個人はまだ試したことがありませんが、杉のベッドは安眠効果も期待できるそうです。
しかし、すべての杉材に空気清浄機能と有益物質供給機能があるわけではありません。

杉の乾燥方法

杉の低温乾燥の様子

杉の空気清浄機能と有益物質供給機能を生かすには、
①木の細胞が壊れていないこと
②酵素が生きている
③精油成分が失われていないこと
が、必要となりますが、木の乾燥方法によっては、3つの条件は満たすことができません。

木材は伐採後、乾燥が必要になります。
構造材に使用される木材の含水率は20%以下が基準ですが、伐採直後の木材は含水率200%以上です。
乾燥させる方法は、さまざまですが、高温乾燥、中温乾燥、低温乾燥、自然乾燥などがあります。
それぞれ、メリット・デメリットがありますが、木の細胞は50度以上で死んでしまうといわれているため、低温乾燥が木の細胞を生かして乾燥させることができます。

まとめ

木を仕上げや、構造材で使う多くの理由は、自然素材ならでは温かみにあると思います。
それだけでなく、低温乾燥させた木材で空気清浄機能と有益物質供給機能の木本来の力を存分に生かしてみてはどうでしょうか。

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